打ち捨てられた衣服たちと、オレンジ色の照明に包まれる部屋

2月3日(土)の日記

 

2週間も前から楽しみにしていた陶芸体験に、2人揃って寝坊して行けなかった。

この間の雪の日も、降るとわかっていたのに当日の朝に意気揚々と洗濯を干してびしょ濡れにしてしまった。

でも、陶芸は来週予約し直せばいいし、洗濯は部屋干しでもちゃんと乾いた。大丈夫だ。

一日の計画を立て直す。

2人で湯船に使って清い状態にする。

私は皮膚科に行くために身支度を整え、同居人は昨夜寝落ちして観れなかった「オン・エッジ 19歳のカルテ」を観直していた。

そういえばこの映画は、むかしむかし10歳くらいの頃にケーブルテレビを回していてぶち当たった映画だ。

昨日観るまですっかり忘れていた記憶だったが、トリシア・ヴェッセイを観た瞬間ズバリと思い出した。

当時観たのはキリアン・マーフィとトリシア・ヴェッセイが性行為の真似事をするシーンで、何かとてつもなく見てはいけないものを見てしまった気がしてすぐにチャンネルを変えてしまった。

もしかすると自分にとっての性行為の原風景的なものはこの映画なのかもしれない。

といっても別に自分の血を見て興奮することはないが・・・。

ただ、自傷に対する抵抗のようなものはあまり無かったような気がする。

こう書いてしまうと悪い影響を受けたような印象になるが、個人的にはそんなに悪いこともないような気がしている。

でも実際に自分が自傷癖を持つようになってしまっているので、どうなのか・・・。

まあでも別にこの映画せいというわけでもないし、そんなことはどうでもいい。

皮膚科は休みだった。第一土曜日は定休日らしい。覚えておこう。

すごすごと帰宅して、同居人と共に洗濯を干した。

今回は事前に天気予報をチェックして、今日も明日も晴れることを確認した。完璧だ。

その後お昼ごはんを食べに出かけた。

同居人が気に入っているラーメン屋さん。

同居人はまぜそば、私は鳥白湯を半分。それと2人で恵比寿の小瓶。

食後はブックオフに寄った。

怖い話をまるまる一冊立ち読みしている間に、同居人は本を10冊以上買い込んでいた。

とても楽しそうだったので、嬉しい。

お腹もいっぱいな上に荷物も重かったので、そのまま新宿へ遊びに行く予定だったところを取りやめて、家でダラダラすることにした。

午後の大半を、レコードを掛けながら読書をして過ごす。

私はトーマス・マンの「トニオ・クレーゲル/ヴェニスに死す」、同居人は木村紺の「神戸在住」(同居人が面白い面白いとしきりに言うので少し読んでみたが、あまりピンと来なかった。神戸がなじみの土地すぎるのかもしれない。)

レコードはジョン・コルトレーンの「Live at the Village Vanguard Again!」、「Please Warm My Weiner (Old Time Hokum Blues)」、「Blind Willie McTell / Curley Weaver / Buddy Moss – Atlanta Blues 1933」、最後にビートルズの「Revolver」。

読書のお伴はスーパーニッカとバッカス。休みの日は昼間から飲酒すると決めているのだ。

レコードを3枚聴き終わったので、寝てしまっていた同居人を起こして、再び出かける準備をする。

映画を観に行くのだ。

「Three Billboards Outside Ebbing, Missouri」。

同居人が東京国際映画祭で観てとてもおすすめしていた映画だ。

観終わった後は西新宿の居酒屋で一通り映画の話をする。

お互いわかったようなわからないようなことを言い合うのは楽しい。

同居人はひどく口下手なので、言い合うという感じでもないが・・・。

終電もすっかりなくなったので、タクシーで帰宅。

タクシーに乗り込む時にしたたか頭を打ち付けた。

ずっとふわふわして楽しくて、よく笑った一日だった。

明日は髪を切ったり展覧会に行ったり頭の中を整理したりする日だ。

同居人と過ごせないのは寂しいが、一人に慣れることも必要だろう。